まつエクエクエグ!!!


いつもいってる美容院のイケメン美容師さんの雰囲気が少しかわった。なんとなく色気がある。
「どうしたの?」と聞いたらまつエクしたそうだ。

「もうこの道に嵌っちゃいそうですー!」と私のやっているアイラインのアートメイクについて聞いてきた。

知らない人もいると思うので説明するとアイラインを刺青する。
ほぼ永久的に消えないアイラインを作る。
すっごい痛かった。もうしない。

で、イケメン美容師さんがまつエクのチケットをくれたので私もいってみることにした。

言い訳ではないが、嫁は婆なので引力に負けまくっている。
頬肉もアゴ肉も首肉も、肉という肉は引力さんの求愛に答え常に下に行こうとしている。
当然まぶたの肉もだ。ここでまつげを上向きにして、ついでにびっしりと生やかして目くらいは上向きにしたいのが乙女心ならぬ婆心だ。

まつエクとは既存のまつげに人工毛を1本ずつ専用接着剤ではりつける。ksgさんも髪の毛にとかそういう話は内輪で話し合うとして、出来上がったまつげは瞬きしたら風がおきるのではないかというくらい立派になる。

そんなわけでまつエクに行ってきた。
出来たばかりのサロンはとても綺麗で、オルゴールのCDが流されて照明は落とされリラックスムード満タン。
個室ではないが、ついたてで隔てられた2席がある。
イスは大変お高そうなマッサージチェア。たぶんksgさんじゃ買えない。
施術してくれるおねーさんは優しそうな笑顔のギャル。
自分の好きな形のまつげを選び、どれくらい上げるか、量やつけるまつげの太さを決めていく。
談笑しながら施術してもらいあとは接着剤の乾燥を待つだけになった。

ここまではほんと天国。マジ気分が上がってた。

「それでは接着剤をかわかす間、マッサージしますね!」とおねーさんが明るく言った。
うんうん。マッサージはいいね。日々の疲れがふっとぶしね。
おねーさんがマッサージチェアのスイッチを入れる。

すごい嫌な予感がしたんだよ。

わたしはどういうわけだか頭が人よりも重く、鉢も大きめだ。
施術してもらう前に座ったときマッサージしてもらうローラーに頭がはまりこんだが、そこは関係ないだろうと黙っていた。
しかし動き出したそいつは容赦なかった。
頭を挟み込み、マッサージをはじめた。
しかも、どう考えても位置がおかしい。上半身が少し短めの私の肩を叩くにはちょっと高い位置にそいつがやってきて

ガンガンガンガンガンガンガンガン!!!!!!!!

 

ちょ!!!!!!!!!!!!そこちがう!!!!!!!!そこ頭だからっ!!!!!!!!!

 

と心の中で叫ぶがとまってくれるわけなどなく容赦なく叩く。
ローラーは私の体形などまったく気にしない。
そのまま下のほうに移動し腰あたりを揉む。

あんたの揉んでるのは腰じゃなく尻だがな。

揉むときにローラーがせり上がる。と、同時に私の脳味噌だか赤味噌だかがつまった頭がぐぐっと沈む。
く、苦しい・・・。胸から尻までが上にせり上がったために、頭ががっつり下に沈み息苦しいのだ。
それを我慢しているとまたローラーが上に移動。
少し変だと思ったのか必要以上に左右に開いたローラー君。私の肩を叩くために上にきたらしいが、残念。またもや頭だ。
左右に開いたのでそこに頭がすっぽり挟み込まれた。
ヤバイと思う暇もなく、私の頭の左右を思いっきり叩き始めた。

 

バカなのか?

お高そうなイスのくせにパーか?

 

振動と痛みで朦朧とした私が必死になって考えたのは、
「そうだ!こいつに逆らったらいいんじゃね?」
消耗された体力を振り絞って頭を浮かせてこいつから逃れるぞ!大作戦を決行する。
ローラーの間から頭を浮かせてみたところ腹筋は厳しいがなんとか繰り出されるパンチを振り切った。と同時にピーとか言って止まった。
助かった。正直もう限界であった。

そこにおねーさん登場。
「あれ?なんかちょっと外れちゃったみたいですね。」とまたスイッチオン。

うん。親切。

ここには敵しかおらんのか。

もう時間がすぎるのを待つだけ。あいかわらずバカなローラーは私の頭と尻を集中的に攻撃し、息が止まりそうになったりめまいを起こしたりしながら砂を噛むような時を過ごす。
マッサージチェアにマッサージされながらなぜ自分はこんなことしてるのだろう・・・婆がイスの上でまつげをバサバサしながらもんどりうってる姿など誰が想像するだろう・・・などと考えるしかなかった。

 

「はい終了ですー。」
おねーさんマジ天使。もうちょっとであの世にいくところだったYO。頭と尻が痛いよね。
そんな文句なんて言えるわけもなくニコニコしてみせた。私オトナね。
会計をしてもらい立ち上がろうとした時、

「2週間後にリペアしたほうがいいですよ☆リペア料金は半額ですから☆」

うん・・そうだね。リペアしないとまた元に戻っちゃうもんね。そのイス片付けてくれたらね。と心の中でつぶやいて予約した。

 

2週に一度のマッサージ地獄の始まりである。

 

 

 

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