人にものを教えるということには技術が必要なんだと思うこの頃。
娘はピアノをやっている。
私も子どものころやっていたし、毎日練習を繰り返せば徐々にではあるがうまくこなせるようになると思っている。
ところが娘はこれっぽっちも練習しない。
でもピアノは大好きという。
仕方ないからいつも練習のときは隣に座り、あーでもないこーでもないと口を出さなければならない。
私は指導者に向いていない。
口より先に手を出したくなる。
但し、家族限定で。
私はとある楽器をやっている。
メジャーとは言えない楽器なので、伝手で学生さんに指導をすることがある。
その時はいつも心穏やかに教えることができる。
時々、悪戯で「初見演奏をしましょうー!」などとやってみるが、
出来なくて当たり前なので、どんな風に演奏されても心からすごいな!と思える。
出来ていなくたってかまわない。
ほんの1音あっていただけでも、手の動きが美しかったり、楽譜を見る目がよかったりと
どこにでも褒める要素がある。
ここまで書いて思った。
贔屓目なんだな。
自分が出来るから出来て当然。こどもがやっていることなのに大人を求めている。
これは私がもっとも反省すべき点だと思う。
子ども限定に。
問題は大人。大人であるはずの夫だ。
彼は料理を配信している。
思いつくままに食材を買い、ネットでみた面白そうな料理を作ってみたりする。
前回書いたように私はある程度の料理ができる。
そのせいか夫に手順を聞かれるので、私にしては細かく指示を出しておく。
それなのに・・・
どういうわけか、いつもいつもいつもいつも違うものになっている。
私が配信を視聴しているときでもやらかす。
途中でlineで違うよ!!!と必死で呼びかけるが、酔っ払いの配信者にはまったく聞こえない。
いい感じに出来上がっていたらなおさらだ。
こういう時に夫が単身赴任でよかったと心から思う。
こんなこと隣でされたら、思わず鼻の穴に指突っ込んでいるところだ。
配信としたら美味しい絵図になるだろう。
無表情で鼻に指突っ込む嫁と鼻血を出しながらヘラヘラ料理を作る配信者。
しかも毎回見られるスプラッタ。
これは娘を指導するのとは訳が違う。
娘は小学生とはいえまだ幼い。微妙な指使いなどわからない事もあるだろう。
なので繰り返し繰り返し教えたら理解してくれる。
それに比べ夫は、何度言ってもわからない。
わからないというより聞いていないのだ。
だって酔っ払いだもの。
ヘラヘラと笑いながら「ゴメンネー!」などと言って私を益々怒らせる。
いつか突然配信中に夫を訪ねて、指示通りじゃないことを暴露し鼻の穴に指を突き刺してやろうと
爪を磨きながら思う嫁である。