そんなことより聞いてくれよ、>>1よ。スレとはあんま関係ないんだけどさ
有名な吉野家コピペだが、全部コピペするとただでさえ内容を水増ししてうっすい合成酒のような当ブログがますます薄い記事になるので割愛。
先日牛丼を作ったので、牛丼にまつわる思い出話をしていきたい。なんか美味しんぼのサブタイみたいになってしまったが。
その前に料理配信の感想。
ベーフストロガノフ(何実風ビーフストロガノフ)で余った牛肉と、肉味噌作ったときに余ったネギがあったので、いやネギは関係なかったたまねぎだよタマネギ。
タマネギが298円で5キロくらい買えるからそれを使って牛丼を作ろうという自然な発想だよね。
こないだも書いたけど日本で一番消費されてるらしいこのタマネギ、価格がどうついてるのかよくわからない。時期的なものかと思いきや一年中安かったりもするし。
まあこれだけ保存に適してるから葉物野菜の相場とは違うんだろうなあ。
家内曰く、某所のローソンで10キロ200円で売ってるとのこと。安いことよりローソンでそれ売ってることに戦慄する。
材料は不足なし、と思ったが生姜がなかったので高知産の生姜を買ってきた。
まずマッシュルームを刻んで炒める。いきなりセオリー外の食材だがまあ当たり障りのない食材だし、大丈夫大丈夫。他に使いどころが思いつかなかったので食材整理しました。
で、ダシ汁を投入して、たまねぎを入れて煮込む。地味に15分くらい。
そして牛肉を入れてさらに煮込む。もっとこう吉野家みたいにやわらかく仕上げたかったが、肉を煮たら硬くなる法則には逆らえなかった。たんぱく質変性。
結局煮込むだけじゃないか。もったいつけおって。仕上げに生姜のすりおろしを多めに入れたら完成です。
牛肉の旨みがしっかり広がってジューシー。なんかしらたき入ってるけど、巻いてないほうがよかったかもしれない。
あと味噌汁が格別にうまかった。白味噌と赤だしあわせてさらに煮干を突っ込んだダシがなかなかグッド。今度から基本にしよう。
で、ここからが本題。いや本題と言うほど大層なもんじゃないので流して書くかまたの機会にするか悩む。その程度の話。
まだ学生だった時分に、2chで吉野家祭りというのがあった。
件のコピペが大流行した結果、全国の吉野家でクリスマスイブに殺伐と大盛りねぎだくギョクを注文するという趣旨の祭りに発展した。もう10年以上前のことだが。
最初は新宿辺りで始まって殺伐と牛丼を食って帰るだけのオフという当時は斬新な(今でも斬新かもしれないが)企画だったので、VIP界隈で大いに盛り上がっていた。今オッサンで2chやってる当時20代の連中がみんな入り浸ってたもんだから、その勢いたるや今とは比較にならない。
というわけで、俺も俺も参加したいと地元の吉野家に奇襲をかける輩が発生し、あれよあれよという間に全国的なブーム(当然ネット界隈だけだが。何らかのメディアに露出したかは覚えてない)となり加熱していった。
当時籍をおいていた東北は仙台の都にもその流れは押し寄せてきた。あの辺はクリスマスより駅前ヨドバシのPS3初売り事件の方が有名になってしまったが、それは別の話なので置いといて、地味に雪が残る街中の吉野家が、ともかく時ならぬ祭りをワショーイしたい連中の標的となったわけだ。
東北の半端に凍てつく学生御用達安アパートの居間でくたびれた布団の炬燵の上に籠蜜柑と一緒に横置きされた、生協価格のWindows98マシンで朝昼なく2chサーフィンに興じていたわけだが、残念ながらイブに予定などありもせず、思い至ってアーケード街の明かりを目指し愛チャリを走らせた。
思い起こせばかの時代、牛丼280円、ハンバーガーが65円のまさに超デフレーション真っ盛り。正確には違うと思うけれど、記憶の中ではそういう印象が強かった時代という意味で食い捉えて頂きたい。いや決して調べるのが面倒とかではなく、表現上の問題ですよ。
何がいいたいかって、そりゃ金のない学生には吉野家なんてのはホームなわけですよ。小腹が減ってはUの字テーブルに座り、紅生姜と七味を大量にぶちかけて頂く。コレだね。魂を揺さぶる味がする。
ホームで試合がありゃあ野球馬鹿なら行かねばならぬ、2ch馬鹿でも同じこと。踊らにゃ損々。
さて吉野家に着いてみれば、何だか人で溢れてる。スレで駅前のこの店でやるぞーという告知がされてたもんだから、普段なら行列も出来ないような場所に異様な人だかりが出来ている。
人だかりはその目的こそ口には出さないが、表情と雰囲気を見れば良く分かる。我々は此処より大盛ネギダクギョクを注文し、吉野家仙台駅前店を殺伐のどん底に落とし込む栄えある中隊乃至狙撃兵であると。
ここは一つ男働きを見せて、VIPに錦を飾らにゃあならぬ。とりあえず何食わぬ顔で群集の一個たる若者(当時はこっちのほうが若者だったが)に、「一体何があるんです?」と聞いてみたりした。
たぶん「知ってるくせに~」的なフランクな会話をしたかったか、或いはその会話がVIPに書き込まれたら嬉しい的なことを考えてたんだと記憶するが、あっさり「さあ?」とかニヤつきながら返されて展開なし。今思い出しても恥ずかしい。
あと、突然「さいたまさいたま!!」の声がしたと思いそちらを見ると、4人くらいのいかにもDQNなあんちゃんが箱乗りしながら叫んでた。四方八方どこから見ても(ノ∀`)アチャー極まりない光景だったが、たとい相手が礼節を欠く輩とて、この場に居るは同穴の狢、駆け寄って「さいたま~」と叫んでみたりした。今思い出しても恥ずかしい。トラウマランキング31位くらいの恥ずかしさ。どんだけ恥ずかしい人生を送って参ったんだよ。
これぞ祭、夢うつつの中、自動ドアに押し入る。室内はさすがに温かい。いや、扉の中まで待ち行列が出来始め、人の熱気で暑いくらいだ。みんな一様にニヤニヤしている。ただ小腹の空きを満たそうなどという志些少な御仁などは見受けられない。
そして静かな祭が始まり、
――人々は目を瞑り、その注文を、ああまるで私が今此処に居ることを特別なものであることを赦してくれるかのように、挙って投じるのだった。
さァ次は自分の番だ、誰よりも殺伐と、踊って見せようじゃないか。Uの字テーブルの僅かな空間が舞台だ。その空間とその時間を、誰よりも主張してやろうじゃないか。勇み店員に通されたのは、ファミリー席だった。目の前にはいい感じのラブラブカップル。あ、はい。相席デスカ。ダイジョブデス・・・
今日は、クリスマスイブだもんね。
うん、クリスマスイブに馬鹿やらかすのが楽しいのであって、何もかもクリスマスイブじゃなかったらそれはもう何て言うかただの馬鹿だよね。ただの馬鹿の方がマシってこともあるけど、よーしドンマイ。
一瞬たじろいだが、ここで逃げたら男が廃る。というかいい加減店側も殺伐してきたんでさくっと大盛ネギダクギョクを注文してやった。お向かいさんは普通に並盛注文してた。あれ俺何でここにいるんだっけ。
他人を気にしても仕方ない。自分が今出来ることをやらなきゃ。
かなり混雑していたので、普段の吉野家ではあまり感じない程度の待ち時間の後、着丼。つっても昨今のワンオペ屋の方が待たされる気がするけど。あと気まずくて長く感じた。
ここでコートから事前に用意しておいたうまい棒を取り出し、やおら砕いて牛丼にかける。今日の目的は牛丼を味わう事ではない。無論牛丼代など惜しくない。いかなネタをしてこの祭に参加し、昇華するか、それだけだ。うまい棒が何味だったかまでは覚えていないが、少しでもハズレを回避しようとする下卑た性格から言って、まずめんたい味だろう。次点たこやき。
更に据え付けの七味の蓋を開け、丼に全量ぶちまけた。おお神よ、普段はかけても半量、いかに辛党でも吉野家の七味が甘口でも、次に座るお客様のことを考えればこれはもう言語道断の暴挙をやらかしてしまいました。本当は目の前のカップルにぶちまけたかったが
否、今これをやらずして何時やるの。今日という日は二度と来ない。此処でやらいで何が日本男児か。熱い茶の入った湯飲みを手に取ると、目を丸くする向かいのアベックを一瞥し、丼にぶちかました。
そして食う。無言で食う。味は良く覚えていないが、無駄にタマネギが多いリトルグルメ茶漬けを一心に掻き込む。
辛くてちょっとむせた。そしたらお向かいさん、笑ってた。なんか元気でた。
過去の思い出を仔細に亘り語るのは、些か難しいのかもしれない。人間の脳は身勝手で、何かと改竄をしてしまうものだ。
それでも書き起こして思うのは、在りし日を偲ぶでも懐かしむでもなく、ただそんな日が存在してて、つらつらと駄文を並べられる辺り、やっぱりそれは現実だったのだなあと確信する、或いは実感する、その程度のもんだと思う。
過去は踏み越えるものでも懐かしむものでもなく、現在と未来のどこか一部分に過ぎない。today is a part of future.
※上書き禁止に設定されているかは人による
吉野家コピペにそんな祭りがあったんですね
しかしよく出来ている話なのでコピペの改変かな?と思ってしまいましたww